パイナップル畑
ノースショアへ向かう99号線、カメハメハ・ハイウェイをひた走り、ドール・プランテーションを過ぎてほどなくすると、突然左右の視界が開け、道の両脇にパイナップル畑が広がって、遠く視線の先にはコバルトブルーの海が見えてきます。誰もが「いよいよノースに来た!」と実感する瞬間。この時、赤土の畑では農夫が収穫に勤しんでいました。オアフ島のこの一帯は、かつて栄華を極めたサトウキビ産業やパイナップル産業を支え、島の繁栄と一時代を築きあげた歴史的なエリアです。今年は「元年者」と呼ばれた日系移民が、明治元年(1868年)にハワイに渡ってから150周年を迎える節目の年ですが、かつての繁栄をこの畑で支えたのは、そんな我が同胞の人々。そして今から77年前。真珠湾へ攻撃に向かうゼロ戦が飛んだのもこの空です。畑で作業をしながら翼の日の丸を見上げたかもしれない日系移民。人生が大きく変わっていく瞬間だったはずです。